保険適用の診療費用
人工授精(一般不妊治療)・生殖補助医療(体外受精・顕微授精など)の基本治療は全て保険適用となります。
但し、保険診療でも、これまでの助成金と同様に年齢・回数制限(40歳未満 通算6回まで、40歳以上43歳未満 通算3回まで※何れも1子毎に)があります。
窓口での負担額が3割となり、治療費が高額な場合の月額上限(高額療養費制度)もあります。具体的な手続は、ご加入の医療保険者(国民健康保険にご加入の方は、お住いの市町村窓口)にお問い合わせください。
保険診療費用 一覧 (負担額 3割)
一般不妊治療
一般不妊治療管理料 |
750円(3ヶ月に1回) |
人工授精 |
5,460円 |
生殖補助医療
生殖補助医療管理料:750円(体外受精周期毎)
排卵誘発剤 |
実費(保険)約10,000~20,000円 |
超音波検査、ホルモン検査 |
1回 約4,000円(※1周期3回程度) |
採卵基本料:9,600円
採卵毎に下記を加算(基本料+加算)
1個 |
7,200円(合計:16,800円) |
2~5個 |
10,800円(合計:20,400円) |
6~9個 |
16,500円(合計:26,100円) |
10個以上 |
21,600円(合計:31,200円) |
※将来使用目的での採卵については、保険適用外となります。
受精法
※新鮮精子を使用して体外受精又は顕微授精を実施した場合は、新鮮精子加算:3,000円を加算されます
A.体外受精媒精(一般体外受精) |
個数にかかわらず一律 |
12,600円 |
B.顕微授精(ICSI)と両方実施 |
6,300円+B.顕微授精(ICSI)の いずれかの合計金額 |
B.顕微授精(ICSI) |
1個 |
11,400円 |
2~5個 |
17,400円 |
6~9個 |
27,000円 |
10個以上 |
35,400円 |
受精卵培養(受精した個数毎)
1個 |
13,500円 |
2~5個 |
18,000円 |
6~9個 |
25,200円 |
10個以上 |
31,500円 |
胚盤胞加算(胚盤胞まで培養する個数) |
1個 |
+4,500円 |
2~5個 |
+6,000円 |
6~9個 |
+7,500円 |
10個以上 |
+9,000円 |
※受精卵培養(受精した個数毎)の料金に、上記の料金を加算
胚凍結保存
1個 |
15,000円 |
2~5個 |
21,000円 |
6~9個 |
30,600円 |
10個以上 |
39,000円 |
※1年間の保管管理料となります。
胚移植
新鮮胚移植 |
22,500円(※合計:25,500円) |
融解胚移植 |
36,000円(※合計:39,000円) |
※アシステッドハッチング:3,000円
※保険適用の回数カウントについては、「移植」まで実施した場合を基準とし、「採卵」の回数ではありません。
保険診療費用モデルケース
【モデル case1】負担額:3割
〇採卵数4個/全胚凍結(採卵~凍結胚保存) 約72,000円~82,800円
※別途(薬剤+注射+超音波)
a |
採卵4個 |
20,400円 |
b |
体外受精 |
12,600円 |
or |
顕微授精4個
(+卵子活性) |
20,400円
(+3,000円) |
c |
受精卵・胚培養4個 |
18,000円 |
胚盤胞管理3個 |
6,000円 |
d |
胚凍結1個 |
15,000円 |
+ |
別途(薬剤 注射 超音波) |
※採卵で取れた卵の数は状態により変動あり
【モデル case2】負担額:3割
〇採卵数8個/全胚凍結(採卵~凍結胚保存)約85,200円~96,000円
※別途(薬剤 注射 超音波)
a |
採卵8個 |
26,100円 |
b |
体外受精 |
12,600円 |
or |
顕微授精4個
(+卵子活性) |
20,400円
(+3,000円) |
c |
受精卵・胚培養4個 |
18,000円 |
胚盤胞管理6個 |
7,500 円 |
d |
胚凍結2個 |
21,000 円 |
+ |
別途(薬剤 注射 超音波) |
※採卵で取れた卵の数は状態により変動あり
自費診療の費用
保険適用外の治療等は自費診療となります。
内容、費用については以下のpdfでご確認ください。
自費診療費用一覧(ダウンロード)
先進医療の内容と費用
先進医療とは、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、有効性が期待される厚生労働省の承認を受けた高度な医療技術を用いた治療のことです。
厚生労働省より保険診療との併用が認められた治療法技術で、先進医療については自費となります。 ※東京都では不妊治療における経済的負担を軽減するため、体外受精及び顕微授精を行う際に保険適用された治療と併用して自費で実施される『先進医療』に係る費用の一部が助成されます。
詳しくは東京都福祉局のサイトをご確認ください。
|
技術名 |
目的 |
費用 |
1 |
タイムラプス培養 |
専用の培養器(タイムラプスインキュベータ)で胚を培養器から取り出すことなく胚を継続的にモニターすることが可能です。
通常の顕微鏡下での胚の形態的観察に比べ、多くの形態学的な胚の情報を得ることができ、安定した胚の培養環境が得られることができます。その結果として妊娠率、出生率の改善に寄与する高品質な胚の発育と選択が期待できます。 |
31,240円 |
2 |
IMSI
(強拡大顕微鏡による形態良好精子の選別) |
通常より高倍率の顕微鏡を用いて精子の頭部に空砲が無い精子や奇形がある精子などを避け、形態が良好な精子を選別することで着床率上昇・流産率低下が期待されます。 |
11,570円 |
3 |
ERA検査 ※1
(子宮内膜受容能検査) |
ERA(子宮内膜着床能検査)は子宮内膜が着床に適した状態となる一般的な時期、すなわち黄体ホルモン投与開始から約5日目の時点で、子宮内膜に着床能が認められるかどうかを判定する分子生物学的検査です。この検査は子宮内膜が胚移植に適した理想的な状態となる時期を判定し胚移植を実施することで体外受精における妊娠率を高めることができます。 |
120,050円 |
4 |
EMMA/ALICE 検査 ※2
(子宮内細菌叢検査1) |
次世代シークエンサーを用いた子宮内細菌叢(フローラ)の解析により子宮内の細菌環境や子宮内膜炎の起因菌の有無を調べる検査です。
子宮内細菌叢において子宮内ラクチバチルス属の減少や、子宮内膜炎に起因する菌が存在することにより着床率、妊娠率が低下するとの報告があります。 |
50,450円 |
5 |
子宮内フローラ検査
(子宮内細菌叢検査2) |
次世代シークエンサーを用いた子宮内細菌叢(フローラ)の解析により子宮内の細菌環境や子宮内膜炎の起因菌の有無を調べる検査です。
子宮内細菌叢において子宮内ラクチバチルス属の減少や、子宮内膜炎に起因する菌が存在することにより着床率、妊娠率が低下するとの報告があります。 |
50,500円 |
6 |
子宮内膜スクラッチ |
子宮内膜に局所的損傷(器械的な刺激)を与えることで、処置後の妊娠率を高めることを目的とする方法です。
子宮内膜に小さな傷をつけることによって局所から修復を促すサイトカインなどが分泌され結果的に子宮内膜の着床に対する反応が促進し着床しやすい子宮内環境をつくることが目的です。 |
9,100円 |
7 |
PICSI
(ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術) |
PICSI はPhysiologic intracytoplasmic sperm injectionの略でヒアルロン酸を用いて、より良い成熟精子を顕微授精に用いる治療法です。 |
20,000円 |
8 |
SEET法
(子宮内膜刺激術) |
子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)は胚培養液上清を子宮腔内に注入することにより子宮内膜が刺激を受け、胚受容に適した環境に修飾されることを目的でおこないます。 |
30,000円 |
※1※2同時施行は150,500円となります
※全て自費で行った場合は課税となります
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査について)
PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、体外受精と胚移植を2回以上行っても着床しなかった不妊症の夫婦や、流産の経験が2回以上ある不育症の夫婦を対象としています。
目的と方法
着床の不成功や流産の多くは染色体単位での数の過不足、または染色体の部分的な過不足が原因です。こうした過不足をより早い時期、すなわち子宮に移植する前の段階で見つけることで、妊娠率が高く、流産率が低い胚(受精卵)を選択することができます。
PGT-Aを行うためには、体外受精が必要となります。体外で育てた、形に問題のない胚から一部の細胞を採取して、その胚の染色体情報を調べます。検査結果が出たら、担当医師から個々の胚の判定結果について説明を受けて、胚移植をするかどうか、移植するのであればどの胚を、どの順番でするのかを決めます。
検査費用
受精卵1個あたり:110,000円(税込)※別途治療費用がかかります
※PGT-Aは保険適用ではないため、実施の場合はその周期すべての治療(採卵・移植含む)は自費となります。ご希望される方は、先ず医師へご相談ください。
当院は、日本産婦人科学会の着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の認定施設となります。