第7回 卵胞の発育と排卵
まだまだ暑さが続きますがいかがお過ごしですか。
皆さんこんにちは、培養士の森です。
今回のコラムでは卵胞の発育から排卵までの流れについてお話したいと思います。
<卵胞とは?>
卵子は排卵されるまでの間細胞に取り囲まれた状態で卵巣内に存在します。
その細胞と卵子のセットを「卵胞」とよびます。
卵巣内にはたくさんの卵胞があり、時間をかけて成長し排卵に至ります。
ここで皆さんに質問です。
卵巣内にはいつから卵胞があると思いますか?
実は、私たち女性がお母さんのお腹にいる胎児の頃にはすでに卵胞が存在しています。
年齢と卵胞数の関係は以下の通りです。
生まれた時に約200万個あった卵胞は閉経する頃には約1000個にまで減ります。
一周期につき排卵する卵子は1つなので何百、何十万個という数は多く感じますが月経が始まると一周期に約1000個の卵胞がなくなります。
そして、一生分の卵胞が胎児の頃につくられてからは分裂をせず減る一方なのです。
そのため卵子の質を良い状態に保つことが大切になります。
卵胞は排卵するまでの間、卵巣内で下の図のように発育します。
※この図のように全ての発育段階の卵胞がみられるとは限りません。
次にそれぞれの卵胞の発育過程と特徴について紹介したいと思います。
<排卵について>
成熟卵胞になろうとたくさんの卵胞が成長をしますが、通常排卵に至るのは1個の卵胞のみです。
その卵胞はどのようにして排卵するのでしょうか。
卵胞の発育過程の成熟卵胞のところで少しだけ登場したE2というホルモンが関わってきます。
直径が20ミリを超えた卵胞はたくさんのE2を分泌します。
E2がたくさん分泌されると、脳が「卵胞が成熟した!排卵させよう!」という指令を出しLHというホルモンを大量に分泌させます。
聞いたことのある人もいるかと思いますが、このLHが大量に分泌されることをLHサージといいます。
脳の指令によって分泌されたLHは血液で卵巣まで運ばれ、成熟卵胞に働きかけLHサージから36時間後に排卵させます。
排卵後の卵胞は黄体になりプロゲステロンというホルモンを分泌します。
このプロゲステロンは子宮内膜を厚くし、より受精卵が着床しやすいように整えてくれます。
受精卵が着床しなかった場合黄体は白体となり、子宮内膜が剥がれ落ちることで月経が開始します。
今回は卵胞が成長する過程、成長した卵胞がどのような作用を受けて排卵するかについて紹介させていただきましたがいかがでしたか。
次回第8回のコラムでは卵胞が成熟した後、不妊治療で行われる治療、「採卵」についてお話します。
例年とはちがった8月も終わりを迎えようとしています。
まだまだ暑い日も続きますのでご自愛くださいね。
培養部 森