Noah ART Clinic武蔵小杉(ノア・アートクリニック)

培養室コラム

第12回 【精子を人肌で温めるのは良くない?】精子を運ぶ時に注意すべきこと

 

こんにちは。

 

9月も終盤になり、やっと秋らしく過ごしやすい気候になってきましたね。

蚊も過ごしやすいのか、今月に入ってから蚊に刺されまくっている培養士の石黒です。

 

 

さて、不妊治療をされている方は精液検査やAIH、採卵などで精液をクリニックに持参したことがあると思います。

 

「持ち歩く際に、人肌で温めていったほうがいいの?」

「蓋がゆるんでカバンの中で漏れたらどうしよう…」

「外から見えたら恥ずかしいな」

 

と不安に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。

 

そこでおすすめしたいのが当院で取り扱っている“SEED POD”です。

 

 

SEED PODってなに?

 

SEED PODとは精子を適切な温度で守ることができる保温器です。

 

黄色い蓋の容器が当院で患者様にお渡ししている採精容器で、シルバーの容器がSEED PODです。

 

小ぶりなサイズでちょうど採精容器がぴったり収まるようになっており、カバンにそのまま入れてもよさそうなスタイリッシュなデザインとなっています。

 

しかも、銀色なので外からも中の精液は見えません!

 

SEED PODを使用するメリット

1:外部から温度の影響を受けにくいので適切な温度で精子を運べる

2:外から精液が見えない

3:何度も使用できる

 

販売価格は2750円(税込)で一度購入すると何度も繰り返して使用できます。

 

 

持ち運ぶ時の温度が精子には重要!

 

前回の培養士コラム「サウナによる精子の影響」は読んでいただけましたか?

 

前回のコラムでは精子は熱に弱く、サウナによって造精機能(精巣で新しく精子を作る能力)に障害が引き起こされる可能性が示唆されるというお話をさせていただきました。

 

精子を作っている間も温度の管理は大切ですが、射出されてからも精子の温度管理は重要です!

 

 

採精した精子を保管し、温度による運動率と生存率を比較した実験があります。

 

採精した精子を4℃、20℃、37℃で一定期間保管し、運動率と生存率を比較したところ、

結果は20℃が一番運動率と生存率が保たれていたそうです。

 

したがって、精子の保存に適しているのは常温20~25℃程度であることが分かりました。

 

睾丸がわざわざ体外に位置していることからも体内程度の温度域が精子を保存しておく上で良くないようです。

 

人間の体は良くできていますね。

 

 

また、温度は精子の形状にも影響を及ぼします。

 

正常な形態の精子は頭の部分に空砲(へこみ)がありませんが、採精から時間が経つと空砲をもつ精子が増えていきます。

 

実はここでも温度が関係しています。

 

37℃で保管した精子と21℃(常温)で保管した精子を比較した実験によると、21℃の方が時間が経っても形が正常な精子が多いことが分かっています。

 

 

SEED PODは精子にベストなこの温度を保つことができます。

採精容器をそのまま持ち運ぶ時と比べると、約4倍も長く適温を保つことが可能です。

 

 

まとめ

 

精子を持ち歩く環境によって精子の状態が悪くなってしまうと、AIHや体外受精のために精子を調整しても運動性の良い精子があまり集まらない可能性があります。

 

 

これから冬に向けて気温もどんどん下がってくると、適温を保つことが難しくなってきます。

 

貴重な1周期の治療を大切にするためにも、精子を適切な温度で運ぶ方法を見直してみるのもいいかもしれません。

 

SEED PODは一つ2750円(税込)で販売しております。

 

一度の購入で繰り返し使用できますので、気になる方はお声がけくださいね。

 

 

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