Noah ART Clinic武蔵小杉(ノア・アートクリニック)

培養室コラム

第14回【タイミング法を考えているなら知っておくべき!】精子を攻撃する抗精子抗体

皆さんこんにちは。

 

培養士の金丸です。

 

今回はこんな悩みを抱えている人におすすめする記事です。

 

 

「自然妊娠がうまくいかない原因はなんだろう?」

 

「精液検査で問題ないのにタイミングがうまくいかないのはなんで?」

 

 

原因はいくつか考えられますが、その中の1つ“抗精子抗体”について解説していきます。

 

抗精子抗体ってなに?

インフルエンザ、新型コロナウイルス…様々なウイルスに対してのワクチンを皆さんも接種した経験があると思います。

 

病原性を完全になくしたり、弱めたりした病原体(抗原)を微量に接種することで、ウイルスや細菌に対する免疫(抗体)を体内に獲得します。

 

抗精子抗体は体内に入ってきた本来なら排除されるべきでない精子を異物(抗原)と判断し、精子に対する免疫(抗体)を作ってしまう免疫反応です。

 

 

その抗体に精子が捕らわれてしまうため、運動する力や受精する力が損なわれてしまうのです。

 

したがって、抗精子抗体は不妊の原因に関係するということになりますね。

 

抗精子抗体は女性だけではなく、男女ともに生産されます。

 

男女ともにこの抗体が生産されるメカニズムは、完全には解明されてはいませんが、

女性では子宮頚管粘液、子宮液~卵管液に分泌され、体内に入ってきた精子を異物ととらえてしまい抗体が生産されてしまう。

 

男性では男性器の炎症や外傷、手術等により精子が血液中に入ってしまい、異物と認識して抗体を生産してしまうと考えられています。

 

検査方法

検査方法として、頸管粘液中の精子の数や運動を顕微鏡で観察するフーナーテストがあります。

 

フーナーテストが『不良』だった場合に抗精子抗体の存在を疑います。

 

しかしながら、この検査では抗体の有無は判定できません。

 

抗精子抗体の存在が疑わしい場合には、採血検査を行っていきます。

 

どんな治療があるの?

抗精子抗体が陽性と診断された場合には、人工授精体外受精により妊娠が可能となります。

 

人工授精では洗浄した精子を直接子宮に、体外受精では体外で卵子と精子を受精させるため妊娠の可能性は十分に高くなります。

 

まとめ

抗精子抗体が陽性の場合は自然妊娠の可能性が低下してしまいます。

 

そのため、人工授精、体外受精や顕微授精を行うことを検討していくのです。

 

この抗体のように、不妊の原因は男女ともに考えられます。

 

原因も様々です。

 

「なかなかできないな…」

 

と少しでも思うことがありましたら、『ご夫婦』『カップル』でクリニックに相談、検査をしてみてはいかがでしょうか。

 

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