12/15 不妊教室 大変具体的な質問をいただきました
開催概要
- 開催日時
- 2024年12月15日(日)
- 開催場所
- Noah ART Clinic武蔵小杉(ノアアートクリニック)ロビー
- テーマ
- 幸せな未来のために ~妊娠成立のメカニズムと、不妊治療~
- 講師
- 当院統括医師 久慈直昭、胚培養士 森 杏奈
12月15日、年内最後の不妊教室を開催いたしました。
皆さまご参加を誠にありがとうございました。
不妊教室の内容について
不妊教室の内容は「不妊治療」に特化した内容だけではありません。
これは、この不妊教室は「妊活をされる方の道しるべ」であるからだと久慈統括医師は話します。
久慈統括医師は「最近人気のハイキング」に例え、「目標地点がわかっていても、今自分たちがどこにいるのかかがわからないと不安になってしまうので、自分たちが今いるところ、そして道のりなどを把握するためのセミナー」ということを申し上げています。
ですので不妊治療の細かな説明ばかりではなく、そのために知っておくべき妊娠のメカニズムや実際の例、そしてどういう問題があるとどういう状態になるかなどを、スライドでイラストなどを交えてできるだけわかりやすく説明しています。
不妊教室は専門的な内容もありますが、みなさま最後まで熱心にメモを取りながら聞きいられていました。
とてもたくさんの質問をいただきました
年内最後の不妊教室ということもあり、沢山の質問をいただきました。
Q.データで表示されていましたが、45歳以上でも体外受精は10%くらい妊娠するのですか?
A:はい、ただし妊娠反応が出たから必ず赤ちゃんが生まれるというものではありません。
妊娠判定で陽性であることがイコール出産ではなく、もちろん出産する可能性はありますが、妊娠を経て出産するとなりますと、難しいことも考えられます。
Q.男性45歳、女性42歳の治療例として、3ヵ月(3周期)で妊娠が成立しなかった場合、 体外受精を勧めるという内容がありました。 最初の3ヵ月は体外受精を行えないのでしょうか?
A:これまで何も不妊治療を行ってこなかった方は、まずは自然妊娠を希望される方が多いので先ほどの説明になりました。
とても急いでいたり、また年齢に関わらず不妊の原因が明らかになっていれば、すぐに体外受精を勧めることもあります。
Q.先天性異常について、何かできることはありますか?
A:残念ながら先天異常に特化した治療薬・治療法は現代の医療にありません。
先天性異常に何が有効であるのか、はっきりと分かっていないのです。
Q.女性の年齢での染色体異常は例としてありましたが、男性側の対策として何かできることはありますか?
A:20歳の精子と50歳の精子を比較したデータがありますが、精子の年齢による影響の差は6〜7%程度と言われているので、そこまで差はありません。
また、体調がよくなるような薬はあるので、それを服用していただくことはよいと思いますが、染色体異常を減らすための薬は現時点ではありません。
Q.人工授精と体外受精で起こり得る母体への影響が心配です。どんな違いがありますか?
A:人工授精は子宮の中に調整した精子を入れるだけですが、体外受精は人工授精に比べると痛みがあります(採卵の際)。
また、注射の影響でお腹が膨れたり、ごく稀に卵巣過剰刺激症候群により入院が必要になる方もいらしゃいますが、そうなってしまいそうな方は予め薬剤を変えたりと、事前に対策をとっていますのでご安心ください。
人工授精も体外受精どちらもホルモン剤を使うので、 普段より生理が長引いたり、 不正出血が起こったりすることがありますが、そのことで妊娠・出産への影響はありません。
Q.体外受精をして産まれた赤ちゃんは自然妊娠から産まれるより70g程大きいという話がありました。なぜですか?
A:はっきりした理由は本当のところはわかっていませんが、世界中でこの数値です。
凍結胚の場合は70g大きくなることが多いが、新鮮胚は自然妊娠と変わりはないので、凍結が何か関係しているのではとも考えられます。
また、70g は平均値であり、実際はかなりのばらつきがあります。
出生時の体重が3,500g以上の場合や2,500g程度の場合もあるため、差はかなり大きいです。
Q.Noah ART Clinicに通うことになったら毎回医師は固定ですか?その時は予約が取りずらくなったりしますか?
A:当院は原則、担当医制ではございません。逆に担当医制ではないのでこの規模の患者さまを診ることができています。
最良の医療を行うために患者様のカルテをカンファレンスにて共有し、どの医師でもその日の診察を担当できるような体制を整えております。
Q.通水検査など期間が限定されている検査について、予約が取れず何ヶ月も待つようなことはありますか?
A:大型連休や臨時の休診日などでご案内できないことはありますが、 何ヶ月もお待たせすることはありません。
Q.タイムラプス撮像法によって何が分かるのですか?
A:今までは卵の経過観察をする際、 保管庫から取り出した 「その瞬間の状態の観察」でした。また保管庫からの出し入れに伴う環境変化により卵にダメージが加わることもあります。
タイムラプス撮像法は保管庫からの出し入れが不要となり、卵にダメージを与えることなく保管したその日から卵の様子24時間365日を映像で確認できるため、さまざまな異常受精などの発見につながることもあります。
1年間不妊教室を開催し、たくさんの方にお越しいただきました。ありがとうございました。
みなさまの妊活に少しでもプラスになっていただけたら幸いです。
来年は2025年1月19日(日)、2月16日(日)そしてその後もほぼ毎月開催してまいります。
1月から、お越しいただいた方に不妊教室のブックレットを差し上げることになりました
鋭意制作中ですので、表紙のデザインが変わる場合があります。
今後も様々な形でセミナーをブラッシュアップしていきたいと思っております。
みなさまのご予約をお待ちしております。